確率1/100は100回中1回?

 「1/100(100分の1)の確率で当たる」と聞くとつい100回すれば1回は当たるだろうと考えてしまいがちです。ですが、1/100の事象を100回試行して少なくとも1回当たる確率は63.4%しかありません。なぜこのようなことが起こるのでしょう。

 それはこの「確率1/100」というのが「100回中1回」ではなく「無限回試行して当たる割合が1/100」だからです。つまり100回程度の試行では無限にはほど足りず、当たるかどうかは分からないということです。

 しかし、これでは「1/100」という値のイメージが掴みにくいと思います。

 仮にここに100面サイコロがあったとします。このサイコロを振って1の目が出る確率は1/100です。これを100回連続で振ると1回という風に捉えてしまうことが間違いのもとです。そこでパラレルワールド(平行世界)を想定してみましょう。つまり「サイコロを振った瞬間1から100までの目が出た世界100個が生まれ、そのうちの1つがランダムに選ばれる」という考え方です。

 この考え方ならサイコロを何回連続で振ったとしても、1の目が出る確率は1/100。例え10億回振ってそれまで1が出ていなくても、10億1回目に1の目が出る確率はやっぱり1/100ということが理解しやすいと思います。過去に起こった結果はあくまで過去のもので、未来に起こる確率には影響を及ぼしません(独立試行の場合)。それまでいくら外れていたとしても次に当たる確率は同じ、ということです。

まとめると「1/100」は「100回中1回」ではなく「100個(の平行世界)中1個」と考えてみると面白いんじゃないか、ということです。

ちなみに確率1/nをn回試行して少なくとも1回起こる確率は63.21%

確率1/100が95%の確率で少なくとも1回起こるのに必要な回数は約300回です。